ダンデライオン

「9月って、急過ぎやしねーか?」

「あいつ、一体何をしたんだよ」

俺の周りにいる大勢の従業員たちがザワザワしていた。

徳井さんの仕業だと俺は思った。

俺に振られた腹いせに彼女が兄である専務に何かを言って、俺を地方へ飛ばしたんだと。

その日から転勤の準備のため、慌ただしかった。

仕事の引き継ぎをしたり、名古屋で住むマンションを探したり、引っ越し業者の手配をしていたら、8月が終わるまで後1週間になっていた。

徳井さんとは、俺が名古屋へ引っ越すまで決して口を聞かなかった。

 * * *