ダンデライオン

真剣な告白だった。

告白されたのは嬉しいが、俺には好きな人がいた。

そう、子供の頃からの幼なじみであるアサちゃんだ。

「すみません」

俺は徳井さんに言った。

「どうしてなんですか?」

徳井さんが驚いた顔をして聞いてきた。

「申し訳ないけど、俺には好きな人がいるんだ。

徳井さんの告白は嬉しいけど、気持ちに答えることはできない」

そう言った俺に、
「浅井さんの好きな人って誰なんですか?

このホテルに勤めている人ですか?」

納得ができないと言うように徳井さんが言った。

もし俺の好きな人が従業員だと言ったら、徳井さんは“専務の妹”と言う権限を使って何かをするのではないかと思った。