ダンデライオン

 * * *

イチョウの大木がある小さな広場のベンチに、私とおじさんは腰を下ろした。

緑色から黄色に変わったイチョウに、私は秋なんだなと思った。

「本当は、忍が成人したらちゃんと話をするつもりだったんだ」

おじさんはそう言って話の前置きをした。

私はイチョウからおじさんへと視線を向けた。

「麻子ちゃん、これからおじさんが話すことをちゃんと受け止めてくれるかな?」

そう聞いてきたおじさんに、
「もちろんです」

私は首を縦に振ってうなずいた。

「話を聞いても、忍とこれからも仲良くしてくれるかな?」

「当たり前ですよ。

忍兄ちゃんは、私の大切な…」

そこまで言いかけて、私は思った。

忍兄ちゃんは、私にとって一体何なのだろう?

大切な友達?

…でも、何だか違うような気がする。