ダンデライオン

「でも、忍兄ちゃんが…」

忍兄ちゃんの名前を出したとたん、
「えっ…?」

おじさんが驚いたと言うように私を見つめた。

「忍が、何かを言っていたのか?」

おじさんが私に聞いてきた。

「な、何かって言うか…その…」

一体、どうしたと言うのだろう?

さっきは“忍は俺の息子だよ”ってはっきりと答えていたじゃない。

「そうか…」

おじさんは青い顔をして、額に自分の手を当てた。

「お、おじさん?

どうかしたんですか?」

おじさんの様子に私は戸惑うことしかできなかった。

「麻子ちゃん、少しいいかな?

ちゃんと家まで送ってあげるから」

おじさんは青い顔でそう言った。

そんなおじさんの様子に戸惑いながら、私は首を縦に振ってうなずいた。

 * * *