ダンデライオン

「じゃあ、またね」

「じゃあな」

忍兄ちゃんは手を振りながらその場から立ち去った。

彼の後ろ姿が見えなくなっても、私の心に残ってしまった疑問は解けないままだった。

――自分の父親が違う人だったらどうする?

忍兄ちゃんが私にした質問は、一体どう言う意味があったのだろう?

そう思ってその場に立ちすくんでいたら、
「麻子ちゃん?」

名前を呼ばれて視線を向けると、
「あっ、おじさん」

忍兄ちゃんのお父さんがいた。

仕事の帰りなのか、おじさんはスーツ姿だった。

「こんな時間にどうしたんだ?

学校はもう終わったはずだろ?」

おじさんは不思議そうな顔で私に聞いてきた。