ダンデライオン

身につけている制服のズボンが破れている。

一体、何があったのかしら…?

忍兄ちゃんの様子に、私は彼に声をかけることができなかった。

「これからお帰りですか?」

お父さんがおじさんに声をかけた。

「ええ、まあ…」

おじさんは答えたくないと言うように言葉を濁した。

「すみません、明日も仕事が早いので…」

そう言って話を切りあげたおじさんに、
「ああ、そうですか。

これは失礼いたしました」

お父さんは会釈をした。

「では、これで」

おじさんと忍兄ちゃんは私たちに会釈をすると、早足でその場を立ち去った。

2人の後ろ姿が見えなくなると、
「何かあったんだろうな」

お父さんが呟いた。

私はいなくなった2人から目をそらすと、お父さんと一緒に家へと向かった。