ダンデライオン

 * * *

忍兄ちゃんが非行に走ったのは、彼が中学に入学してからのことだった。

最初は遅刻や無断欠席と言う、ほんの小さなことから始まった。

大きな事件が起こったのは、私が小学3年生になったばかりの頃だった。

確か、お父さんと一緒に夜にコンビニへ行った帰り道だったと思う。

「あれ?」

前の方から歩いてきた2人の人物に、私は気づいて足を止めた。

「どうした?」

そう聞いてきたお父さんも2人の存在に気づいたようだった。

「忠志くん?」

お父さんがおじさんに声をかけた。

「あ、こんばんは…」

おじさんは呟くようにあいさつをした。

彼の後ろには中学校の制服を着た忍兄ちゃんが立っていた。

頬には青アザ、唇の端は切れているのか血がついていた。