ダンデライオン

「忍兄ちゃんは私に怖い思いをさせて、傷つけてしまったその責任感…か、ら…」

苦しい…。

息ができない…。

「あっ…あっ…」

口を大きく開けているのに、呼吸ができない…。

「アサちゃん!」

忍兄ちゃんが私の名前を呼んだのと同時に、私を抱きしめた。

私の後頭部に忍兄ちゃんの手が当てられたと思ったら、彼の肩に顔を埋められた。

「うっ…ぐぅっ…うっ…」

忍兄ちゃんの躰から、高そうなシャンプーの匂いが漂っていた。

「アサちゃん、落ち着いて息を吸って、落ち着いて息を吐いて…」

忍兄ちゃんの言う通りに従って、私は何度も呼吸を繰り返した。