ダンデライオン

私はふと気づいた。

――もしかして、私が今日見た夢は忍兄ちゃんが帰ってくることを暗示していたのかしら?

梅雨明けと共に、5つ年上の幼なじみの忍兄ちゃんが帰ってきた。

…まさか、ね。

私は心の中で呟いた。


その日の夜。

「あーっ、サッパリしたー」

バスタオルで髪を拭きながら、私はリビングにやってきた。

小学校の頃からずっと伸ばしているこの髪は手入れが大変だけど、この髪を短くする予定は特にない。

邪魔だと思ったら束ねればいいだけの話だし、大丈夫よね。

私は冷蔵庫からハーゲンダッツのグリーンティーのアイスを取り出した。