ダンデライオン

窓の外に視線を向けると、雨は止んでいた。

「寝言で俺の名前を呼んでた。

“忍兄ちゃん”って、何度も何度も」

私は忍兄ちゃんに視線を戻した。

「私、そう言ってたの…?」

そう聞いた私に、
「言ってたよ」

忍兄ちゃんは答えた。

「…1つ、私の方から質問してもいいかな?」

私は言った。

「何を?」

「――どうして、子供の頃に私と交わした約束を果たそうと思ったの?」

そう聞いた私の質問に、
「えっ…そりゃ、お互いいい年齢(トシ)だと思ったから…」

忍兄ちゃんが呟くように答えた。