ダンデライオン

「――…ちゃん。

――アサちゃん」

忍兄ちゃんの声と肩を揺すっているその手に、私は目を開けた。

いつの間にか、私は眠ってしまっていたようだ。

忍兄ちゃんに視線を向けると、彼は心配そうに私の顔を覗き込んでいた。

彼の瞳に映っている私は涙を流していた。

「眠りながら泣くなんてアサちゃん、大丈夫?」

忍兄ちゃんが聞いてきた。

「うん…」

私は首を縦に振ってうなずいた後、
「怖い夢を見てた…」

呟くように言った。

洟をすすって、頬を伝っている涙を手の甲でぬぐった。