ダンデライオン

その声に、男は驚いたと言うように顔をあげた。

――カランッ…!

男は鉄パイプを放り投げると、その場から逃げ出した。

「おまわりさん、急いでつかまえてください!」

制服を着たおまわりさんとおじさん3人が男を追いかけた。

「忍、大丈夫か!?」

私と忍兄ちゃんのところに駆け寄ってきたのは、おじさんだった。

「麻子!」

お父さんも駆け寄ってきた。

お父さんとおじさんの手によって、私と忍兄ちゃんは引き離された。

「麻子、大丈夫か?」

お父さんが私の躰を抱き起こした。

「――しの、ぶ…にい、ちゃん…は…?」

そう言った私の声は呟いているみたいだったうえに、震えていた。