ダンデライオン

私の弟こと八束良太(ヤツカリョウタ)は、4歳年下の大学生だ。

良太は地方の大学へ通っているため、彼の部屋は当然空いている。

「良太には今夜、俺から事情を説明しておくから。

忍くん、良太の部屋で申し訳ないけど、それでいいかな?」

お父さんは忍兄ちゃんに聞いた。

「ホントですか?

ありがとうございました」

忍兄ちゃんは頭を下げた。

この際、どこでもいいから構わないってか?

「お店のお手伝いはちゃんとしますし、家賃も必要だったら」

そう言った忍兄ちゃんに、
「家賃は結構よ。

私がいつお金を払えなんて言ったのよ」

私はさえぎった。