ダンデライオン

視界に入ったその光景に、自分の目を疑った。

違うよ…。

絶対に違うよ…。

「アサちゃん?」

忍兄ちゃんが私の名前を呼ぶ。

「――朔太郎…」

白地に笹柄の浴衣姿の朔太郎が目の前にいる。

その隣にいるのは、モデルのような美しい女性だった。

紫地に藤の柄の浴衣がよく似合っている。

急用って、こう言うことだったの?

私以外につきあっている人がいたの?

目頭が熱くなったのがわかった。

足が震えているのは、なれない下駄を履いてるからだと思いたい。