忍兄ちゃんは私と視線をあわせると、
「ケーキ、早く食べよう」
と、言った。

「ケーキを3等分にするのは難しいんだから…」

呟くように忍兄ちゃんに言い返した後、私はケーキに包丁を入れた。

「アサちゃんが切ったヤツだったら小さくても大きくても構わないよ」

私の呟きが聞こえたと言うように、忍兄ちゃんが言った。

「俺も小さくても大きくてもいいよ」

朔太郎が言った。

「…そう言われるとものすごいプレッシャーを感じるんだけど」

妙なプレッシャーを仕掛けてきた2人に呆れると、ケーキを3等分にした。