ダンデライオン

「ダイレクトメールか何かかと思って、新聞紙と一緒に置いたんだ。

廃品回収の時に一緒に出そうかなって思って」

そう言ったお父さんに、
「おじさん、相変わらずですね…」

忍兄ちゃんが呟くように言った。

お父さんのそそっかしい性格は本当に相変わらずである。

「ごめんね、忍くん。

まさか、忍くんが麻子宛に手紙を送っていたことを知らなくて」

お父さんは忍兄ちゃんの前にあわせた両手を出して謝った。

「あの…」

私は話を切り出した。

「ここにいると暑いだけだから、中で話をしない?」

そう言った私に、
「ああ、そうだね」

忍兄ちゃんが言った。