いつもと変わらない朝。



朝の光はまだ夏を忘れさせないほどの輝き。



周りを行き交うサラリーマンや学生達も、笑顔で挨拶したり、眠そうにあくびしたりしている。



本当にいつもと何ら変わりのない朝。



でも、私の心の中は変わっていた……。

変わってる?



いや、前と変わってない。



裕一郎に告白する前、片思いだったあの時に戻っただけだ。



昨日さんざん声を張り上げて、目を何度も擦って、悲しさのあまり琢也の背中を何度も叩いた。

琢也はずっと傍にいて、背中を貸してくれてた。



それなのに、家に帰った後もまだ足りなくて……。



目ははれて、哀しくて眠れなくて、隈まで出来てしまった。