休み時間になると、凛の周りには人が集まっていた。

その中に美鈴と麻希もいた。

「川島さんってどっからきたん?」

「東京から来たよ。」

「まじでっ。めっちゃ標準語やん。」

「そうだよ。でも関西弁にあこがれてるんだ。」

「大丈夫やって。すぐ話せるようなるで。」

「ありがとう。頑張るね。」

美鈴と麻希は一通り会話を聞くと輪から離れた。

「川島さんってなんかすべてが清楚やな。」

「うん・・・。」

「美鈴、もしかして不安になってるん?」

「いや・・・ちょっとね。」

「大丈夫やって。川島さんのタイプは木下みたいなんじゃないやろ。」

「ちょっ、声が大きいよ。」

「そんなに気になるんやったら、川島さんに言えばいいやん。」

「うん・・・・。」




放課後、美鈴は帰ろうとしていた凛を呼び止めた。

「あのっ・・川島さん。」

「どうしたの?」

「ちょっといい?」

「いいよ。えっと・・」

「あっ、私音羽美鈴です。」

「音羽さん?それで何か?」

「あのっ・・木下のこと・・・。」

「・・あっ、わかった。音羽さん木下君のこと・・・。」

「それ以上言わんといて。あの、それで・・。」

「私、まだそんな事思ってる暇もないよ。だから安心して。」

「ありがとう。ひきとめっちゃてごめんね。バイバイ。」