ホームールームの時間になると、森岡先生がさっきの子を連れて入ってきた。

教室は一気にざわついた。

「美人じゃね?」

美鈴の隣の席の浩太が言った。

「たしかにー。」

後ろの真奈が嬉しそうに言った。

「川島凛です。よろしくおねがいします。」

転校生の子は元気よくあいさつした。

「よし、席は・・・木下の隣、あそこだ。」

美鈴は少しドキッとした。

「健の隣かぁ・・・」

「今うらやましいって思ったやろー。」

「えっ!」

美鈴は真奈の言葉に顔が赤くなった。

「やっぱり。その顔は図星やな。」

「ちがっ・・。」

「恋する乙女はいいねぇ。」

「そこの二人しゃべらない。」

森岡先生がこちらを見ていた。

「はーい。」

二人はそれぞれ前を向いた。

でも美鈴は健と凛のことが気になってしかたがなかった。