二人が学校に着いた時は、まだほとんど人はいなかった。

「美鈴、ちょっと職員室行ってくるから教室行ってて。」

そう言うと麻希は行ってしまった。

美鈴は一人で3年3組の教室へ入った。

がらっ・・・・

「あっ。」

教室にはクラスメイトの木下健がいた。

「…おはよー。」

「おう…。」

少し気まずい空気が流れた。

「あ、あのね。今日席替えなんだって。」

「まじ?」

「うんっ。本当。」

二人は少し笑顔になった。

「美鈴、ちょっとついてきて。」

ドアの向こうから麻希の声が聞こえた。

「えっ、うん。今行く。」

美鈴は教室を出た。

「どうしたの?」

「えっ・・、いや何もないよ。ところで何?」

「あっ、早く来てっ。」

「うん。」

そういうと麻希は職員室へ走り始めた。



「ほらっ、あの子。」

麻希が指を指した方には一人の女の子がいた。

「誰?めっちゃかわいいやん。」

「多分、転校生じゃない?ほらっ、森岡と話してるから。」

その女の子は2人の担任の森岡先生と話していた。

「本間かわいいなぁ・・。」

それから二人は教室に戻った。