高校3年生の時にその宣告をされたのに、
私に心配かけたくなからって、そのことを教えてくれたのは、お互いが大学受験が終わったあと。
千花と尋くんはレベルの高い大学に行き、
私と凛は同じ専門校へ進学した。
余命宣告までされてしまった。別れよう。
そう言われたときは、頭をものすごく強く叩かれた気分だった。
「別れるなんていや。凛との子供が欲しい」
それが私の願いだった。
凛はそんな私に涙を流しながらありがとうと何度も言った。
大学に通いながらも結婚をして、それからすぐお腹に子供が宿った。
そして子供が産まれてすぐ、ギュッと子供を抱きしめてごめんなって何度も謝ったあと、私も抱きしめてごめんな。と言った。
「真里、ごめん。俺はこの子供に弱い自分を見せるわけにはいかないんだ。
だから、俺は実家に戻るよ。
少しの間だったけど、真里といられて幸せだった。こんな病気を抱えた俺に何度も気持ちを伝えてくれて、俺との子供まで産んでくれた。
俺はそれだけでものすごく幸せなんだ。
これが俺の最後のお願いだ。
産まれたての子供を置いて逃げる父親なんて最低だと思う。
でも、弱い自分を見せるなんて本当に嫌だ。
ごめんな」
止めることさえできなかったけど、
最後くらい、凛のやりたいことをやらせてあげよう。って思ったの。


