しかも、透明な袋だから中身丸見えで…




ものすごく美味しそう。




なんて思ってたら、ただのシンプルなクッキーを作った自分が恥ずかしくなってきた。




「……やっぱ千尋くんは人気者だねぇ」




「すずは、くれないの?」




ただの嫉妬だというのに、どうしてこうも素直になれないんだろう?




「も、もう、他の男の子にあげたもん!」




「は?」




千尋くんは眉間にシワを寄せた。




あ…やばい、よね………。
私、本当に何しちゃってるんだろう。




なんて思っても、もう時すでに遅し。




「何それ…他の男って誰」




千尋くんの声がいつもより低い。
あぁ、完璧に怒ってらっしゃる…。