「その汚い手で、すずのてを掴まないでくれる?」 その男の腕を思いっきり握りつぶすようにしながらそういった。 「あ?誰だこのガキ?」 「ち、ひろく…っ」 今にも泣きそうなすずの頭をポンポンともう片方の手で優しく撫でる。 「早く離してくれない?」 「おい、ガキが調子に乗ってんじゃ……」 俺は男の目の前で殴ろうとした手を寸止めした。 「〝離せ〟っていってんの」 俺が低い声を出して言うと、やばい、と言った表情をして走ってどこかへ行ってしまった。