「千尋くん?」 千尋くんはうつむいたまま、一向に何もしようとしない。 ……変だ。 「少し前から…」 少しの沈黙のあと、千尋くんが、やっとしゃべり出した。 「練習してたんだけどさ… 素晴らしいほどに何も変わらなかった」 そう言って千尋くんが差し出した手には、 綺麗にラッピングされたカップケーキ。 「形はだいぶマシになったんだけど…」 そういったあと、千尋くんは顔をバッとあげて 「やっぱいいや!」 なんて言い出したから、私が必死になってカップケーキを奪った。