かず耶side
僕、神宮寺かず耶は…
人の不幸を幸せにできる超能力を持つ、超能力者。
俺の父、神宮寺いく哉。
亡くなった人の心を読み取る能力。
この人のおかげで愛する人の最期をいい気持ちで見送ることができた人はたくさんいる。
でも、"超能力"を持つ男として命を狙われることも少なくはなかった。
そんな時、俺は生まれた。
すでに世間からは良くない目で見られていた。
《死んだ人と話す男性》
《超能力者を装う男》
こんな風に父は言われていた。
もちろん世に名前を出すことはなかった。
日に日に痩せていく父や母を見ているのは辛かった。
だから俺は誓った。
絶対に子供は作らない。
俺と同じ気持ちを味あわせてしまうから。
だが、心を病んでいた俺をいつも明るくかわいい笑顔で慰めてくれたまみに今日こんなことを言われ…
俺は、今日一つになってしまった。
