「っとと、そんなことより! 取り敢えずいいかんげんに起きなよ!食堂でステフが怒って僕に八つ当たりしてくるんだ!『いつくるのよ!あのネボスケは!!』って」

ハルタの言いように俺は吹き出してしまう。ステフとは食堂のおばちゃんであるステファニーのことだ。50代とは思えないほどの腕力を持っており、ハルタはその餌食になったらしい。

――あぁ、だから、髪の毛が乱れているのか。

ハルタの乱れている髪を笑っていると、近くから恨みがましそうな視線を感じた。


「悪い悪い。ちょっと面白くてな。ああ、わかってた起きるって」

「まったく。毎朝起こしに来る僕の苦労も考えてよね!ユウト!」


ハルタはぷりぷりと怒りながら先に食堂へ向かった。俺もそのあとに続く。