冬の屋上は誰もいなくて静かだった。


「はなちよ♪お前名探偵だな♪」


「こんな時まで明るくしないで…。どうしたの…その傷…。」


「そんな悲しい顔すんなや(笑)はなちよの言う通り、この傷はカッターの傷だよ。でもねはなちよには無関係だよ?」


「それでもいいもん!話して?」


すると原田くんが口を開いた。


「優人と喧嘩したんだ。」


「関係大ありじゃん…。私のせいで…。」


「違うよ。俺がわりーんだ。」


原田くんは私を抱きしめながら話した。


「俺、この学校に入学した時からはなちよの事好きだった。けど、優人に取られちまって腹が立って…はなちよをからかうような事をした。最初は、はなちよも俺の事意識してなかったしこのまま終わってもいいってヤケクソだった。でもはなちよが俺のとこ意識し始めて…。俺がそんな気持ちにしちまったから…。」


原田くんはいつもと違ってすごく低い声で喋っていた。


これが真面目な時の原田くんなんだと私は思った。