近くて遠い存在。











「…みんな、行っちゃったね」

「小柳くん」



あたしの隣にやって来たのは、爽やかボーイの小柳くんだった。



「…あたしたち暇になっちゃったね」

「…俺たちだけで泳ごっか」

「そうだね!」



あたしは小柳くんと泳いだ。
浮き輪で浮かぶあたしを小柳くんは色々なところに連れて行ってくれた。

しばらくして、泳ぎ疲れたので人があまりいない浜辺に腰を下ろした。




「ありがとう、リードしてくれて」

「お礼なんていいよ。楽しかったから」

「あたしも!」



…小柳くんって、すごくいい人だなぁ。
優しくて、リードしてくれて、頼もしい。



「…桜木さんの水着、すごく似合ってる」

「…えっ?あ、ありがとう」



…なんだか照れるな。
小柳くんも恥ずかしそう。



「…小柳くんって、鍛えてるの?」

「ううん。でも、バスケやってるよ」

「そうなんだ!だから背が高いんだね!」

「そうかな?でも、筋力は衰えないように心がけてるよ」



小柳くんは、背が高くて、腹筋も割れている。
ほんとに、カッコいい。
きっと、学校でもモテるんだろうな。



「桜木さん、モテるでしょ?」

「えっ…!?ど、どうして?」

「…だって、優しくて、いつも笑顔で…可愛いから」

「小柳くん…」



小柳くんはあたしを見つめた。
あたしは恥ずかしくて、目を逸らす。



「…小柳くんこそ、モテるでしょ?」

「…告白はされたことあるけど、付き合ったことはない」

「…そうなの?」



…ちょっと意外かも。
彼女いそうなのに。
きっと、素敵な彼女ができるだろうな。