近くて遠い存在。











「やばーい!2人とも可愛い〜!」

「特に結奈ちゃん最高っ!」

「きゃっ!」



突然、藤沢くんが飛びついてきた。
…こんな格好で抱きつかれるとドキドキしちゃうじゃん!



「…ちょっと!結奈に抱きついてんじゃないよ!この変態野郎が!」

「怖ぇ〜!さすが、暴力女!」

「なんですって…!?」



真尋は藤沢くんを追いかけ回す。
…楽しいな。



「…ねぇ、結奈」

「なに?」



咲希と彩里紗ちゃんが近寄って来た。



「あの2人はこっち来ないのー?」

「うん。なんか、他のことがしたいみたいで…」

「えぇー!?海に来て泳がない人とかいるー!?」

「…もう一回説得してくるね!」



あたしは、みんなで楽しみたい!
そう思って、戻ろうとした時だった。



「私が行く!」

「…彩里紗ちゃん?」

「…だって、結奈ちゃんばっかりズルいんだもん」

「えっ?」

「だよね!あたしも行く〜!」

「待って!どういう意味?」



あたしは戻ろうとする2人に問いかける。
…さっきから2人の言ってる意味がよく分からないんだけど。



「だって、あの2人カッコよくない?」

「…あたし、綾野くんに一目惚れしちゃった!」

「えぇ!?」

「マジでー!?あたしは、黒沢!」



…そうだったんだ。
2人は晃と蒼が好きなんだ。
そう思ったら、なぜか胸がズキンと痛んだ。



「…今日は、泳ぎに来ただけじゃないんだよ?」

「あたしたちの恋の争奪戦でもあるの!」




2人はそう言って、晃と蒼の元へ駆け寄って行った。
…晃と蒼はどう思ってるのかな?
あたしはただ、見ていることしかできなかった。
…何してんだろ、あたし。