近くて遠い存在。












蒼と別れた後、晃と2人きりになった。
…恥ずかしくて、顔が見れない。

沈黙のまま、あたしの家に着いた。
…こんなこと初めてかも。



「…今日はありがと」

「…おぅ」

「…じゃあ、またね」



あたしはこの雰囲気から解放されたかった。



「…結奈!」

「なに?」



晃に呼び止められ、振り返る。
…どうしたのかな?



「…あ、あの時の…もし嫌だったら悪ぃ」



晃は俯きながら言った。
…もしかして、抱き締めたこと言ってるの?



「嫌なんかじゃないよ!…すごく嬉しかったの」

「えっ…!?」

「あの時、晃がいてくれて良かった」

「…そっか」

「うん」



あたしは真っ直ぐに晃を見た。
晃と目が合ったが、すぐに逸らされてしまった。



「お前…そんな顔でこっち見るなよ」

「えっ?」

「何でもねぇ!…じゃあな!」

「あ、うん。またね!」



晃、顔が真っ赤。
…あたし、何かしたかな?

あたしは晃に手を振って、家に入った。
…今日は色々なことがあったなぁ。

先輩に騙されていたこと。
晃に抱き締められたこと。
蒼と気まずくなったこと。


…明日になれば、変わるよね。