近くて遠い存在。











あたしは先輩の教室に向かった。
周りにいる女子たちのこと、もう慣れたかも。
すると、教室から出てくる朝倉先輩が見えた。



「…先輩!」

「結奈ちゃん!どうしたの?」

「お話ししたいことが…」

「連絡してくれればいいのに」

「いえ、直接お話ししたくて…」

「…そういえば、結奈ちゃんまだ一回も連絡くれてないよね?気遣わなくてもいいんだよ?」

「…すみません」



…でも、先輩には特に連絡するようなことないし。



あたしたちは屋上に来た。
…ちゃんと言わなきゃ!



「…あの、昨日のことなんですけど」

「うん」

「…もう少し待ってくれませんか?まだ先輩とは会ったばかりですし…」

「いいよ。俺の結奈ちゃんへの思いは変わらないからさ」

「先輩…」



先輩はあたしに近づいてきた。
そして、あたしの髪に触れる。



「…俺、結奈ちゃんのこと好きだよ?」

「…あっ」



先輩はあたしの髪にキスを落とした。
…は、恥ずかしい!



「…ははっ!結奈ちゃん、顔真っ赤だよ?」

「…えぇ!?だ、だって!」

「…今日、一緒に帰れる?」

「…えっ?」

「結奈ちゃんのこともっと知りたいからさ」

「はい!あたしも先輩のこともっと知りたいです…」

「よかった!…じゃあ、校門の前で待ってるね!」

「はいっ!」



…あ、あたし朝倉先輩と帰る約束しちゃったー!
…あれ?あたし喜んでる?
…まさか、あたし…



朝倉先輩はあたしの教室まで送ってくれた。
…優しい!



「すみません、わざわざ…」

「いいんだよ。…じゃあね!」

「はい!」



朝倉先輩は爽やかに手を振って戻って行った。
…こんなにも完璧な人がいるんだなぁ。