近くて遠い存在。











あたしは、昼休みに朝倉先輩の教室へ行った。
そこではやっぱり、女子たちが集まっていた。
…会えるかなぁ。



「…結奈ちゃん?」

「…先輩!」



名前を呼ばれ、振り向くとそこには朝倉先輩がいた。



「どうしたの?」

「あ、あの…少しいいですか?」

「うん、いいよ」



あたしは先輩と屋上に向かった。
…誰にも聞かれたくなかったから。



「…あの、やっぱり連絡先を真尋にも教えてあげたいんです」



すると、先輩はあたしに近づいてきた。
…え!?
あたしは背中に柵が当たるのが分かった。
…ど、どうしよう!近い!



「…俺がなんで結奈ちゃんだけに聞いたか分かる?」

「…えっ?」

「…俺、結奈ちゃんに初めて会った時に思ったんだ」



そして、先輩はあたしの頬に手を当てる。
…先輩!?



「…結奈ちゃんに一目惚れしたんだ、俺」

「…えぇ!?」



一目惚れ…!?
朝倉先輩が、あたしに…!?
混乱して、頭が回らないあたし。



「…返事はすぐにとは言わないから。考えといてね」

「ど、どうしてあたしなんですか…!?」

「なんでかな。でも、人を好きになるのに理由なんていらないよ」

「先輩…」



先輩のその言葉にドキッとした。
人を好きになるのに、理由はいらない…
確かに、そうだよね。
気付いたら好きになってたってこと、多いもんね。



「…それじゃ、俺行くよ」

「はい…」



でも、ますます真尋に言えないよ…
先輩の連絡先どころか、先輩に告白されたなんて絶対言えない。
…どうしたらいいの?