【続編】2月14日


「こっちに友達とかいるん?」

「まあそれなりにね」

「彼女も?」

「いいや、それはいないよ」

「じゃあさ…」

 続きを言おうとしない君は、うつむいたまま両手の指を絡ませて、口は固く結ばれたままだ。

「やっぱりいいや、なんでもない」

 表情は曇ったままなのに、妙に声は明るくて、僕には理解しがたい君は、それ以上話すつもりは無いようで、またテレビに釘付けになった。

「さっきから気になってたんだけどさ、フランス語の番組見て理解できてんの?」

「理解してるかしてないかで言うと…日本語が好き」

「意味がわからない」

 そう言って君と笑いあって、今の時間を満喫する。

「そういえば、なんでフランスに来たの?」

 君に会ったときからの疑問をやっとぶつけた。

「悠真を探しにきた」

「なんで?」

「なんでってか…なんとなく…かな…」

「なんだよそれ」

 君の曖昧な回答は、僕の頭を混乱させるだけで、なんの解決もしなかった。

 でも、それでよかったのかもしれない。