「すいません！」
私が後ろを振り返る前に、痛みのあまりその場にしゃがみこんだ私に向かって、誰かが話し掛けた。

―犯人は、お前か！
って心の中で考えていたから、もしかしたらかなり恐ろしげな顔をしていたかもしれない。

私は不機嫌そうな顔をしながら、立ち上がり声の主に顔を向けた。

しかし、声の主は私の表情にたじろぐこともなく、
「ぼんやりと立っていたら、危ないですよ。いつボールが飛んできてもおかしくないですし。・・・なんて、ボールをぶつけた自分が言うのもなんですが。すいません。」と申し訳なさそうな顔をしながら言った。