私と剛くんが初めて話した場所は、私達の高校の体育館だった。
ちょっと走るだけでキシキシと音をたてる床と、古ぼけてほこりをかぶったような薄茶色の壁が年紀を感じさせる、私達の高校の体育館。

私は、中学生の頃は部活に何も入っていなかった。
特に「これがやりたい」という部活も見つからないうちに、いつのまにか夏が来て、2年生になり、そのまま時間が過ぎてしまったのだ。