【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~

「ねぇ、白ちゃん。女の人の特徴とかは無いの?情報が無いなら、話が始まらないよ。」

「情報ね...。何かあったかしら。」


眉間を指でつまんで、白虎は「う~ん」と唸った。
ギフトが俺に耳打ちしてくる。


「セルリア...正直僕、頭が働かないんだけど。如何しよう。」

「俺に聞くなよ。」

「君には一応、あのエストロス家のケビンが居るんだから、相談くらい乗ってくれよ。」

「ケビンの存在を多くに知られない方が、いいって言ったのはお前だろうが!」

「バレちゃうかな?」

「バレるだろ。俺とケビンだぞ。」

「...バレるね。」


またいい笑顔で返事してくるな、此奴は...。


「何こそこそ話してんのよー。」

「ごめん、ごめん。白ちゃん。で、何かあったの?情報は。」


ギフトは白虎に向けて、何時も通り微笑んだ。
頬を膨らませていた白虎が、少し機嫌を直す。


「確か...黒が、“旧友に会いに行く”って言ってた気がするわ。」

「白ちゃん...旧友っ言ってるじゃん。其れで解決して良いんじゃないの?」

「でも気になるのよ!!モヤモヤするの!」


ギフトは面倒臭いと視線で白虎に訴えかけるが、当の本人は全く気付いていない。
普段ならこの手の話はきっぱりと断ち切るギフトだが、相手が白虎となると今よりこれからを優先して、断るに断れないのだろう。

自己中心なギフトだが、一応先を見通して考えている。
でなければ、『Sicario』なんて殺し屋をやっていないだろう。
メンバーも一癖(ひとくせ)や二癖(ふたくせ)あるから、纏め上げているだけでも相当なんだろう。

まぁ、俺はそんな苦労なんか微塵も知らないけど。


「白ちゃん。手を貸したいのは山々なんだけど...どうも僕は乗り気じゃないんだな...アハハ。」

「でもー、やっぱり身内としては把握しときたいのよ。もしかしたら、私の“妹”になるかもしれないのよ。」

「あー...。そういう考えか...。セルリア、これは断れそうに無いよ。寧ろ積極的にしないと...九尾の道楽との繋がりに関わる。」


いや、俺に報告するなよ。
間接的に俺(Sicario)が困るかもしれないが、根本的に困るのはギフトだろ。
そもそも能の無い俺に問うなよ。
いくら中にケビンが居るとしても、知恵をくれるか如何かは解らないだろ。

其れに出来の良い脳味噌を持っているのだから、今この時こそ活用すべきだろう。