【番外編】 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~

そしてぼくは、また1人になった。
暇だ...。仕事の無い『Sicario』より暇だ。
何で今回のターゲットは、こんなにも面倒臭い奴なのだろう。
早く出てくればいいのに...早く、早く。

そしたらベティは自由になれる。
そしたらぼくはまた1人“愛せる”。

寂しいから、淋しいから、愛して欲しくて殺すのだろう。人は。

シリアルキラー(連続殺人鬼)もサイコキラー(異常殺人鬼)もスプリーキラー(大量殺人鬼)も、愛して欲しいから殺すのだろう。

ぼくも愛して欲しかった。愛されたかった。愛したかった。

...だからぼくは解剖(殺す)するんだよ。


此れは異常でも無い、狂っているわけでも無い。
人として当たり前の事なんだよ。
唯人を愛したいという人として当然の事をしているだけなんだよ。

ぼくは間違ってなんか無い。正しい。
だって皆人を愛しているだろう。
其れは人という単位かもしれない、性別の単位かもしれない、他人という単位かもしれない、自分という単位かもしれない。

でも、人は愛している。
愛を持って日々を生きている。

ぼくは人を愛する方法を1つしか知らない。
例え其の行為で死んでしまったとしても、ずっと愛していられる。また別の人も愛していられる。
忘れること無く愛していられる...。

人は極限の状態になった時、如何なってしまうのか。

人は自分を愛して、自分を守る為に、他者を犠牲にする。

非道に見えるかもしれないが、精一杯愛しているんだ。
愛に飢えていたんだ、枯れた愛で愛しているんだ。

ぼくもそうやって愛してきた。

愛せずにはいられなかった...生きていく為に。