ずっと座っているのも暇で仕方が無い。
少しくらい外に出ても良いよね。

ぼくは椅子から立ち上がると、玄関から外へ出た。
狭い路地に雑草が所々生えている。
この入り組んだ通りには陽の光が極端に差し込まない。
通りの隅には生気のない人々が静かに座り込んでいる。

この国は此処まで腐っているのか...嫌でも知らされた。
宛もなく、散策でもしようかとぼくは足を進める。
足を進めても視界に入るのは、生きる気力を無くした哀れな人間だけだった。


生まれた時から見慣れている生気のない人間


同じだ...。あそこにいた人達と同じだ。

思い出したくも無いあの家と...同じだ。


無意識の内にぼくは眉間に皺が寄る。
嫌いだ、大嫌いだ。
一般街に住んでいる人間の方がまだマシだ。












あの頃のぼくにそっくりだ...。