「ギフト...ぼくが思っている事が正しければ、いくらぼくでも怒るよ。」

「嫌だな〜僕はまだ何も言っていないじゃないか。」

「え、...あの、如何かされましたか...?」


今一話の流れに乗れていないベティが、恐る恐る言葉を口にする。
ギフトの企みを隠さない笑顔が、更にベティを怯えさせている。

ギフトは両手を組んで机に肘を置く、其の手の上に頭を置いた。割と歯並びの良い歯を口角を上げて見せる。
嗚呼、此れはぼくの考えで大体合っているな...。


「囮にならない?」

「嫌だよ。」

「丁度良い年齢だし、良いじゃないか!」

「好き好んで身を危険に晒したく無い...」


ぼくはMなんかじゃない。
生憎そんな特殊性愛は持っていない。
ギフトと同じにしないで欲しい、オキュロフィリア(眼球性愛)め...。


「大丈夫。ベティちゃんも付けるから。」

「何で、そうなるの...」

「だって小柄だし、幼く見えるでしょ。」

「依頼人まで、危険に晒すの...。」


ギフトは組んでいた手を離すと、右手で其のまま頭を支え、左手をテーブルに置いた。
金色の瞳を細めて、尚言葉を続けた。


「危険に晒す気は無いさ。僕も其処まで、人で無しじゃない。
ドールを遠くに配置して、少し近い所にセルリアを配置しようと考えてるよ。」

「おい、ギフト。手前ェは何するんだよ。」

「ごめーん。僕は丁度副業が入ってるんだ。2~3日空けるね。」


逃げたな...。ギフトめ...。
留守の間に部屋にある、ホルマリン漬けの眼球コレクションを2~3個割ってやる。
後で怒っても知らないんだから。