「弟の...解体された...死体です。」

「“解体された”...。」


セルリアがベティの言葉に反応する。
如何やらセルリアは何か知っているようだ。


「もっと詳しく話せ!」

「...セルリア、無理させちゃ駄目だよ。」

「話すだけだろ、無理なんかさせてねぇーよ。」


そう言う事ではないんだけどな、セルリアはかなり人とズレているから話が噛み合わない。
まず、普通に考えて死体を思い出すところから無理しているんだよ。


「お姉さん、大丈夫...?」


震えているベティの背中をさすった。
ぼくより年上だけど、ベティの背中はとても小さく感じた。
かといって僕が大きいわけではない、感覚的な問題なのかもしれない。

ベティは僕の方を向いて、小さく「ありがとう」と言った。
嗚呼、ベティも必死なんだ...、弟の為に。
ベティは深呼吸をすると少しずつ詳細を語り出した。


「頭と、手と足が...斬られてて、...杭に、...突き刺して...。」


ベティは其処まで言うと、口を両手で押さえた。
顔色は悪く、死人のように蒼くなっていた。