「いいね、いいね!!報酬で宝石なんてベタだけどいいね!!」


相変わらずギフトは殺しが好きなようだ。
ぼくは依頼が確定しても、喜びなんてしない。
別に殺すことが好きなわけではないから、ぼくはあくまで...“解剖”が好きなんだよ。


「さぁて!えっと...名前をまず、伺おうか。」

「あ、失礼しました。私ベティ・ムーンと言います。ベティと呼んで下さい。」


お姉さん___ベティはそう言ってぼく達に一礼した。
貧困街の住民にしては礼儀正しい、きっと幼い頃から働かされて来たんだろうな。


「ベティ。じゃーまず、その通り魔の特徴とか解るかな?」

「特徴...私は実際に見たことないんです。見たのは...お、弟の...」


ベティは口を手で覆い隠すと、震え出した。
壮絶だったのだろう、肉親の死体を見るということは...。
ぼくは特に何も思わないけど、肉親だろうが他人だろうが、其れは只の肉の塊なのだから。

人が家畜の肉を見て悲しむか、そんな感慨深い人なんてそうはいない。其れと同じなんだ、ぼくにとって死体というものは...。