俺たちに気付いた依頼人と思われるその人物は、此方に微笑んだ。
この白だけの部屋で、一際美しくその笑みが輝いた。


「来てくれたんですね!どうぞ、そんな処にいないで入って下さい!」


少女の声は明るく、この病院には似合わないものだ。
俺達は少女に促されて、部屋に入った。
ベッドの傍にある椅子に俺達は腰を下ろした。
ギフトは足を組んで少女を見つめた。


「君が依頼人のティー・タイムさんで、間違い無いかな?」

「はい!」


少女___ティー・タイムは元気良く答えた。
元気良く答える事ではないんだが...。
俺は頭を掻いた。
ギフトはタイムに笑顔を向ける。何時も思うのだが、その笑顔疲れないか。


「この手紙の内容...僕らは真に受けていいんだよね。」


顔は笑顔のままだが、軽い声ではなく少し重い声、真剣な声色でタイムに言った。
タイムはゆっくりと、決意を持って首を縦に動かした。