side:セルリア
ドールの声が聞こえた、視線を動かせばドールの腕の中に少女がいた、ティー・タイムだ...。


「この子で合ってるよね?」

「あぁ...ッ!?」


タイムの姿を見て驚いた...昼間見た時と代わらない姿だったからだ。
症状が治ったのかと思ってドールを見るが、あの醜い姿だった。
何故だ...、タイムに死が近付いているからか。
何だよ、それ...俺は死神とでも言いたいのかよ。


「セルリア〜?黙ってないで早く。」

「あぁ、...解ってる。」


不思議そうにタイムが俺を見る、ドールに抱かれたまま俺に問う。


「...大丈夫ですか?」

「何がだ...?」


問いに問いで返す。
タイムの表情が少し暗くなったように見えた。


「その、辛そうに見えたので...」

「気の所為だッ!」


強い口調になってしまった、何をイラついているんだ。其れとも時間が無いのか。
ドールがタイムの顔を見て細く微笑む。


「キミさぁ〜、セルリアに気があるの?」


そんな筈無いだろ、何でよりによって俺なんだよ。もっといい奴がいるに決まってるだろ。

タイムの顔は俺の予想とは相反して、赤くなった。
嘘だろ...。


「やっぱり〜、若いっていいよね。青春だよ、青春。」

「おっさんみてぇーなこと言うなよ。」

「ボク28だし。」


そう言えばそうだったな...。
俺達は会話を止めて、目的の場所を目指した。