ギフトは何時もの笑みとは違う、詳しく言うのなら、光の無い笑顔でその母親に言った。


「苦しみの果てに消えて、其処には何が残りますか?」


母親の口が閉ざされる。
閉ざされると言うより反論出来ないのだろう。
何故なら其処には...何も残らないのだから。

俺はソファーから立ち上がって、テーブルの元へ歩いた。
母親は俺を嫌悪の目で見た。
椅子には座らず、立ったまま俺は言った。


「あんたは...母親だ。だが子供の気持ちを全て理解出来るわけじゃねぇー。あんたは考えた事があるのか?確実に死へと近付く感覚を、次眠ったら死んでいるんじゃないかという恐怖を...。口では何とでも言える。知ったような台詞も、自分が感じている風な台詞も。あんたは死を感じた事があんのか?いいか、よく聞け、この依頼は取り消さねぇー、そして次そんな言葉吐いてみろ...その口を耳まで裂いてやる。」


母親の顔は青白くなっていた。
タイムが唖然とした表情で俺を見つめている。
ギフトはあの何時もの笑顔に戻っていた。


「という訳で、帰ってもらえますか。貴女がどう足掻こうと、娘さんの命は僕らが貰います。あ、後お金もね。」


そう言って俺とギフトは2人を玄関まで誘導した。