目が覚めると、夕陽が差し込んでいたはずの部屋は暗くなっていた。
それ程眠っていたということだろう。
俺は上体を起こすと、乱れている髪を手でほどいた。
寝起きでだるい体を動かして、俺はリビングへと向かった。

自室から出ると、夕飯の匂いが少し漂っていた。
今日は何が出されるのだろうかと、少し楽しみにしつつ、足を早めた。
リビングに到着すると、テーブルの上にはカルボナーラが大皿に乗せられていた。
その周りには小皿が4枚置かれている。
既にテーブルには俺以外が全員着いていた。

俺は申し訳なかったなと心で思いつつ、自身の定位置の椅子へ腰を下ろした。
俺が席に着くと、ギフトが、いただきますと言って食事が始まった。

俺はカルボナーラをフォークに絡めると、自分の小皿に入れた。
一旦フォークからカルボナーラを外し、今度は一口分だけフォークでとると、口の中へカルボナーラを運んだ。
クリーミーな味が口の中に広がる。


「美味しいかい?」


ギフトが優しく訪ねる。
言い忘れていたかもしれないが、調理担当はギフトだ。
他の3人は作ることが出来ない。
俺に至ってはキッチンに立ったことすらない。

何で面倒臭い事して作らなければいけないのだ。肉は生でも食べれるだろう。