青柳さんに名前が出来た。
と、同時に友達になれた。


・・・でも、もっと悲しくなってきた。


そういえば僕に名前がない。


ご主人様は僕に名前をくれなかった。

でもそれは、僕が硝子の置物として
扱っているんだから名前がないのは当たり前。


名前が欲しいよ・・・

心の隅っこにあった思いが、
一瞬で大きくなった。


僕はうつ向いた。



何でご主人様は名前をくれないんだろう。
何でご主人様はアリスだけ可愛がるんだろう。

僕は身体が透明なだけでアリスと変わらないのに・・・。


この時に僕は君を少し憎んだ。


僕はまだ硝子の兎だって気づいていなかったせいだから。

今になってだけど謝るね、アリス。

ごめんね。