特別なひと




そっか、


みんな颯人君の事、好きだもん。


皆にとって、私がこうやって颯人君の隣にいてさっきみたいに怪我したら保健室まで運んでくれて、



湿布を貼ってくれて、

頭を撫でてくれて、



それって、全部凄いことなんだよね…



「やっぱりさ、幼馴染って違うよね!




「友達とは違う感じ⁉︎」


「そうそう!


特別みたいな‼︎」



え?



特別??



「まぁ、幼馴染だしね‼︎」



幼馴染。



オサナナジミ。



その言葉だけが、耳に残って。



颯人君がいつも私と登下校を共にしてくれるのも、



さっきみたいく、怪我したらすぐに運んでくらるのも、




湿布を貼ってくれるのも、




優しく笑って、頭を撫でてくれるのも、




それは全部、颯人君の優しさで。


でも、それは私が幼馴染だからであって、



そんな事、わかってた筈なのに



今更また苦しくなって、



脳裏に焼き付いている颯人君の笑顔が今は苦しい。