黒イセカイデ。

その時、生徒玄関に入ろうとした流星が段差に足を引っ掛けて転んだ。

彼の持っていたスクールバッグが少し開いていたので、中のものが出てしまった。

「いててて、どんくさー俺。」

バッグから出た持ち物の中に、
信じられないものがあった。


「きゃあああああああ!!」

周りの女子が叫び、流星は迷惑そうな表情になった。

僕は固まって動けなくなった。

「うるせーなあ、なんだってんだよ、人が転んだだけで・・・っうわあああ!!」



それは、僕が朝田とホームレスを刺した、
あのナイフだったのだ。