黒イセカイデ。

「今日は安全運転で行くからね。」

カンナさんが車のエンジンをかけ、発車する。

いつも通りなのになぜか貴重な体験でもしているように思えてきた。


「昨日、朔が部屋にいる間に学校から電話がかかってきてさ、同じクラスの朝田?がいなくなったとかで騒ぎになってたらしいんだよ。」

ドクン

もう、みんなに知れている。

もしかしたら僕だということがバレるかもしれない。

心臓の鼓動が速くなってきた。

息も荒い。

「はあ、はあ・・・」