黒イセカイデ。

我慢なんてできなかった。

「なんだよ、今さら・・。
僕は普通でいたいんだ。なぜ幸せを奪う?
そんな権利お前らにないだろ!」

生まれて初めてこんなに感情が高ぶった。

声もこんなに荒げたことはない。

「まったくお前は、何にも変わっていないな。
私がお前を表の世界で暮らさせたのは、潜入暗殺者にするためだ。そんな茶番に付き合っている暇はないんだよ。」


「潜入暗殺者・・?」

「そうだ。一般人に紛れ込み、疑われることなく、暗殺する。それが潜入暗殺者だ。」

なんだよ、それ。

「絶対嫌だ!そんなこと僕にはできない!」

ドンっ

父さんが、机を叩いた。

「いい加減にしろ。お前はこのことについて決める権利はない。お前は暗殺者だ。もうこの運命は変えられない。逆らうこともできない。
黙って命令に従え!でなきゃお前を殺す。」

、、、こんなやつと血が繋がっていると思うと
虫唾が走る。

そして恐怖を覚えた。

殺される、という恐怖。

殺人を犯すかもしれない、恐怖。

家族を、友達を、好きな人を、失なう恐怖。